船の旅行 4
スカイラインといったら自動車専用の山岳観光の道路だと思いこんでいる学生がいました。
私がここでいうのはそうではありません。
朝早く日の出るとき、夕方太陽が西に沈むころ、空を背景にして、その空に接する輪郭を映しだすシルエットのことです。
もはやいまの東京では美しいスカイラインを見つけることは少なくなった、などと知ったかぶりのことを書くのはやめておきましょう。
なぜならその時間に、東の空や西を眺めることが少なく、寝ているか働いているからです。
旅に出ると朝早いこともあるし、飛行機の窓から夜明けや夕暮れの美しさを見る機会に恵まれます。
東京では芳の三か日や真冬の空っ風の強い夕方には、研究室のある7階の窓から富士山や丹沢の稜線が美しく見えます。
わたしはソファー ベッドに座ってその景色を眺めている時間が何よりも好きなのです。
外国でなくとも京都や奈良の古建築乞見る旅に出ると、一日の見物を終えて宿に帰るとき、それがふだんは見かけない風景なだけに、よけい美しく印象に残るのです。
シルエットやスカイラインはイエスかノー。
黒か白。
シルエットが美しく見とれていると、夜が明け、明かるくなるにつれて期待に反するときがあります。