新時代の倉庫建築 2
そのような工法を持ったのは壁を剥落させないためだとしています。
いかに自ら愛蔵する書籍のための文倉とはいえ・・・
時に正二位内大臣の高位にある人が建築構造の細部についてここまで記述することは珍しいことです。
これにはやはりそれだけの理由があったと考えなければなりません。
当代までの左官工事下地はすべて木舞といってよく、この事情は現在の外壁リフォームや和風建築でも変りません。
稀に蟻壁や破風板等の細長いところを塗るときには板下地を用いることがありますが・・・
この場合でも直接石灰を塗りつけることはなく、板に藁縄等を巻きつけ一旦中塗土を塗っています。
それから仕上げにかかるのが通例で、このことは後年の近世城郭の遺構に徴しても明らかです。
頼長文倉のように広い板の上に一面に石灰を塗るのは、むしろ明治以降導入された洋風建築の木摺下地漆喰塗やラス下地モルタル塗に似ています。